子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「……する、のかもしれない」
「それって……!」
ハッとする穂乃実ちゃん。
何か続きを口にしようとした穂乃実ちゃんを、絢ちゃんは止めていた。
「その先は、やっぱり初花先輩自身で気づかないとダメですよっ」
口に人差し指を当てて、シーっと合図をする。
それを見て穂乃実ちゃんもコクコクと頷いた。
「わたし、2人のこと応援しますから」
「もちろん、わたしも初花先輩の味方ですよ? いつでもわたしたちのこと頼ってくださいねっ」
「ありがとう、2人とも」
その先は自分で気がつかないとダメ。
そう言う絢ちゃんと穂乃実ちゃんは、わたしでも気づけていない気持ちをわかっているんだろうか?
もう少しでわかりそうでわからない、モヤモヤした気持ち。
「おやすみなさい」
そう交わして布団をかぶり、目を閉じて眠りについた。
まぶたの裏に映るのは、天馬くんのあの笑顔。
この気持ちに気づくのは、もう少し先のこと。