子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
もっと僕に頼って
「みんなでキャンプどうだった?」
「うん、楽しかったよ!」
暑いね、なんて言って入ったカフェでクリームソーダをチューっと吸いながら、ほっと一息する。
夏休みも中盤になり、わたしの誕生日のお祝いも兼ねて遊びに来ていた。
プレゼントにはデパコスのリップをもらった。
自分では憧れがありつつも、化粧品は何がいいのかわからなかったから、センスのある仁奈ちゃんに選んでもらってとても嬉しい。
「受験生でも息抜きは大事よね」
そんな仁奈ちゃんの嘆きに、何度も頷いた。
「誕生日も勉強勉強って、気が休まらないもん」
もちろんお家でもお祝いしてもらったけれど、自室にこもれば机に向かって勉強する日々。
これは夏休みの課題をやるよりも終わりが見えなくて辛い。
「そうそう、聞きたいのは勉強辛いって話じゃなくて初花の恋の行方よっ」
ピシッと指をさされて、思わず体を後ろに引いてしまった。
「そんな特に進展は……」
「でも天馬くんも藤ヶ谷も一緒にキャンプ行ったんでしょ?」
「そうだけど、それは生徒会メンバーだからで……」
「恋のライバルが揃ってるのに何も起きないわけがないじゃない!」
仁奈ちゃんには敵わず、一つ一つ何があったのかを話した。