子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



「大丈夫? 目のクマ酷いよ?」



その言葉は、毎日のように仁奈ちゃんから言われている。


もうまるでそれが挨拶みたいに。



「うん、大丈夫。自分の宿題しながら妹と弟の宿題も見てたら寝るの遅くなっちゃって……」



あはは、と苦笑いのわたしに仁奈ちゃんから「無理しちゃダメだよ」と念を押された。


今までだってこんな日はあったし、もう少しでお母さんも仕事落ち着くって言ってたし。


あとちょっとの辛抱だ。


学校のことも家のことも疎かになんか絶対しない。


そう心に決めて、毎日踏ん張っていた。



「みんなお疲れ様」



今日も今日とて生徒会。


確か今日は、先生方との打ち合わせもあったはず。



「──会長、綾瀬会長っ!」


「……へ、あっごめん、天馬くん。どうしたの?」


「さっき頼まれてた今日使う資料なんですけど……綾瀬会長、大丈夫ですか?」


「うん、ちょっとボーッとしちゃってたみたい。呼んでくれてたのにごめんね?」





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