子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「今日も遅くなってごめんねーっ! ちゃんといい子に……って、どなた?」
リビングに入ってきた先輩のお母さんは、僕の姿を見て首を傾げる。
「ご挨拶遅れました。 綾瀬先輩と同じ生徒会に入っている天馬 央翔と言います。実は先輩が熱を出してしまったみたいで……」
事情を説明すると、先輩のお母さんに深々と頭を下げてお礼を言われた。
「いえ、心配だったので!」
「もう、あの子ったらすぐに無理するから……天馬くんがいてくれて助かったわ」
「大切な先輩ですから、当然です」
「あらあら、天馬くんが初花の旦那さんだったらいいのにねぇ」
「あははっ」
本当は今すぐにでも先輩をお嫁さんにくださいと言いたいところだったけれど、グッと堪える。
「今、部屋で先輩寝てると思うので、様子みてあげてください。では、僕はこれで……」
本当にありがとう、と先輩の両親と結衣ちゃん、悠太くんに見送られながら先輩の家を出た。