子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
制服に着替えて下へ降りると、すぐに結衣と悠太が駆け寄ってきた。
「初花お姉ちゃんっ!」
「だいじょーぶー?」
右と左にピッタリと抱きついてくる2人。
2人とも甘えん坊で可愛すぎる。
「昨日はごめんね? もう元気だから大丈夫だよ!」
ニコッと笑ってみせると、安心したみたいでさらにギュッと抱きしめられた。
「朝ごはん食べに行こっか」
2人の背中を擦りながら、一緒にリビングへと向かう。
「おはよう、初花ちゃん。体調はどう?」
「お陰様で大丈夫です。心配かけてすみません」
「いやいや、大丈夫ならよかったよ!今日はあまり無理しないようにね」
ソファーに座って新聞を読んでいたお父さんと目が合って声をかけられた。
未だにお父さんと話すのはなれない。
多分、まだ完全に心を許しきっていないから。
お母さんのことを大切にしてくれて、わたしのことも結衣や悠太のことも気にかけてくれる。
わたしたちを捨てた本当の父親とは違うことは、ちゃんとわかっているんだけどね。