子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



「あっ、ちょっと初花っ!!昨日のあの可愛い男の子は誰なの?」



娘の体調の心配より天馬くんのことかと、朝からテンションの高いお母さんに苦笑いする。



「生徒会の後輩だよ」



何かと唐突すぎてびっくりすることばかりだけど、優しくて頼りになる大切な後輩。



「てっきり彼氏だと……」


「……っ、そんなこと……!」



"彼氏"というお母さんの口から出てきた単語に、飲みかけの牛乳をこぼしそうになる。



「本当にただの後輩で」



自分でそう説明しつつ、胸がチクチクと痛む。


ただの後輩。


ずっとそのはずなのに。


お母さんの言葉に動揺して、天馬くんの顔を思い浮かべればドキドキして。


なんだか自分が変。


また熱がぶり返してきたのかと思うほど、体が熱くなる。




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