子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



学校祭の準備期間は、普段の授業とは違って自由。


休憩も随時取ってもいいし、申請をあげて担任に許可を取れば、必要なものの買い出しに外へ出てもいいことになっている。


さすがに、先生同伴でではあるけれど。



「綾瀬、ちょっと時間ある?」



仁奈ちゃんと楽しく会話をしながら作業を続けていると、藤ヶ谷くんから声をかけられた。



「どうしたの?」


「話したいことがあって。東、綾瀬のこと少し借りてっても大丈夫?」



作業の途中で抜けなければいけないからと、なぜか藤ヶ谷くんが仁奈ちゃんにも許可取りをする。


仁奈ちゃんは「えーっ」と言いつつもすごくニコニコしていて、わたしの背中を押している。


に、仁奈ちゃん……?


わたしが仁奈ちゃんを見つめると、よくわからないウインクが飛んできて、ファイトと謎の応援をされた。



「ちょっと、行ってくるね?」



わけがわからないまま席から立ち上がり、思いっきり頬が緩んでいる仁奈ちゃんに見送られながら藤ヶ谷くんの後ろをついて行った。




< 210 / 269 >

この作品をシェア

pagetop