子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
藤ヶ谷くんは、なかなか話し始めないし、足も止めずどんどんと進んでいく。
学校祭の準備期間というだけあって、教室の中だけではなく、廊下でも各クラスで作業をしているからザワザワと騒がしい。
人が少ない生徒会室の近くになって、やっと藤ヶ谷くんが足を止めた。
「こんなところまで来てどうしたの?生徒会のこと?」
藤ヶ谷くんからの話と言ったら、生徒会関係のことしか浮かばない。
なんか問題があっただろうか?
もしかして昨日、具合が優れないまま業務を行ってたから、盛大なミスをしちゃってたとか……
もしそうだったら申し訳なさすぎる。
「ごめん、藤ヶ谷くん。わたし、なんかミスしちゃってた?」
悪いことは早めに謝る方がいい。
そう思って頭を下げると、「なんのこと?」と藤ヶ谷くんは不思議そうにしていた。