子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
可愛すぎるから、襲ってもいいですか?
朝から騒がしい校内。
校門から廊下、教室までカラフルな装飾でいっぱい。
今日は年1回のお祭りの日、学校祭。
「そっち準備できたー?」
「あと、もう少し!」
「シフト前半組は着替えてー!」
クラスでもバタバタと準備が進められている。
手先の器用な仁奈ちゃんに、ゆるーく巻いてもらった長い髪。
その上からふわふわのうさ耳を付ける。
しっぽは安全ピンで留める仕様になっていて、ちょうど真ん中になるように留めた。
「仁奈ちゃん、変じゃないかなぁ?」
カバンに入れて持ち歩いていた小さなミラーじゃ、全体を確認することができない。
後ろで同じく支度をしていた仁奈ちゃんに話しかける。
「かっ、可愛いーっ!!」
「に、仁奈ちゃん?」
振り返ってわたしを見るなり、ポケットからスマホを取り出し、パシャパシャと音を立てながらわたしの撮影会が始まる。
しかも、その量がハンパじゃなくて、連写レベルで音が聞こえてきた。