子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
放送委員の子に機材の使い方を簡単に教わって、マイクの前に座る。
あと30秒。
時計の秒針を見ながら、カウントダウン。
カチッと長針が12をさしたと同時に、マイクのスイッチをオンにする。
「皆さん、おはようございます」
きっとみんな、ドキドキワクワクしていることだろう。
「これより、学校祭を開催致します!」
学校祭の開会宣言。
これがわたしの今日一番の大事な仕事。
今いる放送室は、生徒会室の近くにあって教室からは遠いのに、開会宣言と同時に「わぁーっ!」と聞こえてきた生徒の声。
みんな気合いが入ってるなと思わず笑ってしまう。
「では皆さん、今日一日楽しみましょう!」
無事に挨拶が終わり、そっとスイッチをオフにする。
よし、わたしもクラスに戻ってシフトに入らないと。
付き添ってくれた放送委員の子にお礼を言って、早足で教室へと戻った。