子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
軽く息を切らして戻ると、教室内にはもう既にお客さんが来ていた。
同じ学校の生徒もいれば、見たことがない他校の生徒もいる。
ちらほらと近所に住んでいる親子の姿もあった。
「お姉ちゃん、うさぎさん?」
教室の中に入ろうとすると、クイクイっとスカートを引っ張られた。
目線を下に落とすと、お母さんに連れられた小さな女の子がいた。
多分、悠太よりも小さい女の子。
「うん、うさぎさんだよ?」
「かわいーっ!」
目をキラキラと輝かせてわたしを見上げている。
なんて可愛いんだろう。
「ありがとう。中にもたくさん動物さんいるから、よかったら遊びに来てね?」
「うんっ!お母さん、行こっ!」
次は隣にいるお母さんの服の裾を引っ張って、もう片方の小さな手でわたしたちのクラスを指さす。
その子のお母さんは、わたしに「ありがとうございます」とお辞儀をして教室の中へと入って行った。