子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



諦めかけていた時、ついてくると言った天馬くん。


まだ一緒に居られる?



「アナウンスかけるだけだけど、いいの?」


「はいっ!綾瀬会長の仕事してる姿好きなので」


「……っ」



なんで天馬くんは、スラッとわたしが言えずにいる"好き"って言葉を言えるんだろう。



「アナウンス中は喋らないようにね」



なんでわたしは、こんな可愛くないことしか言えないんだろう。



「もちろんです!」



わたしがずっと返事を濁しているのに、天馬くんはついてきてくれる。


そばに居てくれる。


モヤモヤした気持ちのまま放送室に着いて、機材に触れる。


朝、確認させてもらったから、使い方は大丈夫。


全体の機械をオンにして、放送をかけたいフロアのスイッチをつける。


あとは、時間になったらマイクのスイッチをオンにして話すだけ。




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