子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



ドクンドクンと今日一番大きな鼓動が聞こえる。


自分の心を落ち着かせるように、唾を飲み込んだ。



「あのね天馬くん、今日……わたしと一緒に踊ってくれないかな?」



言ってしまった。


恥ずかしくて。

天馬くんがどんな表情をしているのか見るのが怖くて。


俯いたままの顔を上げられない。



「……わぁっ!?」



数秒間の沈黙が流れたあと、思いっきり天馬くんに抱きしめられる。



「どうしよう、先輩っ……」


「ど、どうしたの?」


「嬉しすぎて……どうにかなりそう」



そう言って、わたしを抱きしめる腕の力が少し強くなる。


それに答えるように、ギューッと抱きしめ返した。




< 238 / 269 >

この作品をシェア

pagetop