子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「そういえばさー」
ふと思い出したように仁奈ちゃんが話し出す。
頭にハテナを浮かべたまま、耳を傾ける。
「初花と天馬くんは付き合ってるってことでいいんだよね?」
「……えっ」
「あの放送で無事に初花が天馬くんのこと誘えたのはわかったんだけど、告白を聞いたわけじゃないからどうなのかなーって」
……確かにそうだ。
天馬くんのことをダンスのペアに誘うことができて、一緒に踊って、そのまま後夜祭を締めくくる打ち上げ花火も一緒に見た。
……けど、付き合おうとは言ってない。
「どう、なんだろう?」
「えぇっ、違うの!?」
ガタンと机を鳴らして立ち上がる仁奈ちゃん。
突然大きな音を立てるから、クラスメイトからの視線が集まる。
「仁奈ちゃん、ちょっと落ち着いて?」