子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



「初花先輩ー! ちょっと確認したいんですけど」


「はーい! ……ってことだから離してくれるかな、天馬くん」



絢ちゃんに呼ばれたから、早く行かなければ行けないのに。


天馬くんはわたしを抱きしめる腕の力を緩めてはくれない。



「嫌だ」


「えっ……」


「って言ったら、どうします?」



黒い瞳に吸い込まれてしまいそうなほどまっすぐに視線を向けられて、天馬くんから逃げられない。



「えっと……」


「なーんて、嘘ですよ! 綾瀬会長はからかいがいがあって可愛いです」



そうかと思えば、いつの間にかいつも通りの笑顔になる天馬くん。


天馬くんの行動は、全然読めない。





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