子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



「天馬くん、あんまりわたしをからかわ──」


「初花せんぱーい!」


「ほら、椎名先輩が呼んでますよ? 早く行ってあげてください」



なかなか出てこないわたしに、絢ちゃんから2回目の呼び出しがかかる。


こうなってしまったのは誰のせいだと問い詰めたいところだけれど、早く絢ちゃんの元へと行ってあげないと待たせすぎて申し訳ない。


天馬くんは、ご主人様に甘えてくる可愛い子犬のようだけれど、実は意地悪好きな小悪魔だ。



「ちゃ、ちゃんと資料室見てから戻ってきてね!」



ちょっとは反省してなんて気持ちを込めて、そう言い残し、資料室を出た。



「はーい」



なんて調子よく返事をした天馬くんには、わたしの気持ちは伝わっていないかもしれないけれど。




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