子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「待たせてごめんね?」
資料室を出てすぐに絢ちゃんの元へと向かう。
絢ちゃんの机の上には、生徒総会の資料が置かれている。
会計係の絢ちゃんのメインの業務と言っていいくらい重要なもの。
「いえ! この部活動予算についてなんですが……って、初花先輩、顔赤いですけど大丈夫ですか?」
「えっ?」
指摘されて咄嗟に頬を両手で押さえる。
絶対、絶対天馬くんのせいだ。
振り向いて資料室の方を見ると、ドアの窓からこちらを見てニコリと笑う天馬くんの姿があった。
きっとこちらの会話は全て聞こえている。
やり取りを聞いた上で笑っているのだ。
天馬くんのバカっ!
あんな変なことするから……!