子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「初花先輩?」
「ううん、大丈夫! これだよね? えっとこれは───」
悟られてはいけないと話を戻す。
天馬くんはわたしをからかって楽しんでいるだけ。
それに乗ってしまえば、天馬くんの思うつぼ。
なるべく天馬くんのことを頭の中からかき消して、目の前のことに集中した。
「──こうですね。 ありがとうございます、初花先輩! 助かりました!」
「いいよいいよ。 わたしも絢ちゃんにたくさん助けられてるし……ね?」
「あぁーもうこれだから初花先輩に惚れちゃうんですよ」
全く、と頭を抱える絢ちゃん。
もちろん、褒め言葉ですよ?と付け足された。
「う、うん? ありがとう?」
褒められて悪い気はしない。
素直にお礼を伝えた。