子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
席に戻ると、ちょうど資料室から天馬くんが戻ってきた。
きっと、どんな資料があるかくらいは見てくれただろう。
「綾瀬会長! 次は何したらいいですか?」
「……っ」
ち、近いよっ!
心臓に悪すぎる。
普通に隣に立って聞いてくれたらいいのに、天馬くんはわざわざ耳元で囁いてくる。
「あはっ、綾瀬会長って耳弱いんですね? 可愛すぎます」
「変なこと言わないで、天馬くん」
「だって、本当のことですもん」
ダメダメ。
天馬くんに乗せられちゃダメ。
「天馬、生徒会は遊ぶ場所じゃない」
ずっとわたしたちの様子を隣の席から見ていた藤ヶ谷くんが間に入ってくる。
このまま天馬くんペースに乗せられそうだったから、助かった。
「厳しいなぁ、副会長は……ちゃんと仕事もしますよ?」
当の本人は、注意されたことに対して特に気にしていなさそうだけれど。