子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「じゃあ天馬くんは、これお願いできる?」
「もちろん! 綾瀬会長の頼みならなんでも聞きますよ」
ニコッと微笑む天馬くんに、心臓をギュッと掴まれそうになるのを必死に抑える。
さっきの資料室では、わたしの言うことなんか全然聞いてくれなかったのに。
そんな天馬くんに頼んだのは、私が確認済みの資料に確認印を押していく仕事。
単純なものだけれど、結構面倒くさいんだよねこれが。
いっその事廃止してくれたらいいのになんて思うけれど、学校のルールをそう簡単には変えられない。
確認がされているかのチェックは必要だから、大事なものではあるのだけれど。
それに、押印ついでに少し目を通してもらえれば天馬くんにとってもいい勉強になるかもしれない。
そんな思いを込めて託した。