子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「綾瀬会長っ!」
「は、早いね、天馬くん」
できていた資料のホチキス止めをお願いしていたのだけれど、あっという間に仕上げてきた天馬くん。
「もちろん! 早く終わらせて綾瀬会長とお話したくて!」
グイグイとくる天馬くんに困惑してしまうわたしは、上手く笑い返すことができない。
「天馬、生徒会は遊ぶ場所じゃないって前も言ったよな?」
そんなわたしたちの会話を聞いていた藤ヶ谷くんが口を挟む。
今日もやけに不機嫌だなぁ。
新学期に入ってから、不機嫌な日が多い気がする。
クラスでは普通なのに。
「遊んでなんかいませんよ。頼まれたことは完璧にしてますけど?」
そう返した天馬くんは嘘を言っていない。
確かに頼んだ仕事はテキパキと確実にこなしてくれている。