子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「綾瀬にまとわりつきすぎだ。 もっと仕事に専念しろよ」
「なんですか? もしかして副会長、僕に嫉妬してますか?」
「……!? バカか天馬。俺と一緒にあの資料片付けるぞ」
天馬くんの煽りに余裕のなさそうな藤ヶ谷くん。
天馬くんはクククッと笑いながらも、素直に席を立った藤ヶ谷くんの後をついて行った。
「なんであんなに2人は仲悪いんだろうね……」
不意に漏れた心の声。
「もしかして、綾瀬会長って鈍感ですか?」
「え?」
「そうなの、穂乃実ちゃん。 初花先輩の鈍感さにはみんな困ってて」
ふふっと笑う絢ちゃんに、何故か穂乃実ちゃんは納得している様子で。
「ねぇ、どういうこと?」
「初花先輩はもっと気づいてあげてくださいってことですよ! まぁ、そんな初花先輩が可愛いんですけどねっ」
「絢先輩! とてもわかりますっ!」
わたしを置いてけぼりにして始まった女子トークは、男子組が帰ってくるまで続いていた。