子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
遠慮なんてしませんから ─side:天馬 央翔─
「もしかして副会長、僕に嫉妬してますか?」
「……!? バカか天馬。俺と一緒にあの資料片付けるぞ」
僕が一目惚れした、綾瀬初花先輩。
受験生になり、特に行きたい高校が決まっていなかった時、どの高校を受験しようかと適当に見学に行った先にいたのが先輩だった。
***
今日も適当に見て帰ろう。
どうせどの学校を見たって、別に変わらない。
そんな気持ちで学校見学へと行く。
僕は近くの高校でいいって言ってるのに、ちゃんと見て来なさいって母さんも先生もうるさいから。
今までずっとそう思ってきたのに、一瞬で気持ちがくつがえることになる。
「はい、どうぞー」
受付で学校のパンフレットをもらう。
こんなもの、一度だって目を通したことは無い。
家に帰ったら即ゴミ箱行きかな。
そんなことを思いながら、説明会場になる体育館へと案内板を辿りながら向かった。