子犬系男子の甘い溺愛が止まらない


───その途中。


スルッと手の中から抜け落ちたパンフレット。



「……あ」



床に落ちた後、気がついていない他校の生徒に踏まれた。


上靴は、室内しか歩いていないのに案外汚れてて、真新しいパンフレットにはくっきりと靴跡が残っている。


さすがにトイレやらなんやらどこを歩いたのかわからない靴で踏まれて汚れたパンフレットを拾って見たいとは思わない。


このまま気がつかなかったフリでもして行ってしまおうか。


頭の中で悪魔の声が囁く。



「落としましたよ……って、こんなに汚れちゃ嫌だよね」


「あぁ、えっと……」



声をかけられて顔を上げれば、ここの高校の制服を来た女子が立っていた。


第一印象は、綺麗な人だ。


この時間は授業中のはずなのになんでここに。



「あっ、これで良ければ受け取って?」



渡されたのは、同じ高校のパンフレット。


なんでこの人が。




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