子犬系男子の甘い溺愛が止まらない


「次は、生徒を代表致しまして、生徒会長より我が校についてご紹介したいと思います」



さっきまでシーンとして、なんなら欠伸まで聞こえていたのに、息を飲む声やコソコソと話し声まで聞こえてくる。



一体次はなんだ?



気になって顔を上げると、そこにはさっき廊下で出会った先輩がいた。


どうして授業中にこの高校の生徒がいたのか。


やっと謎が解けた。


生徒会長で挨拶の予定があってあの場にいたんだ。


その先輩の手元には、パンフレットがある。



……もしかして、これってこのために書き込んだ大事なものだったんじゃ。



ここに来て、やっとこのパンフレットの重要さがわかった。



これ、僕が持っていて大丈夫なんだろうか?



そんな心配はする必要もなかった。


先輩はスラスラと高校の生活について話している。


まるで全て暗記しているかのように。




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