子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
初対面だった僕にもわかるくらい、副会長から先輩への好きが溢れているのに、当の本人は気がついてないようだった。
そんな鈍感なところも可愛いなんて愛しくなる。
「……で、何をしたらいいですか?」
背中からも感じ取れる不機嫌オーラを受けながら副会長と資料室に入って、その背中に声をかけた。
ここに入るのは、先輩と一緒に来て以来初めてかもしれない。
「資料の整理整頓。 今年度の分を入れるために一番古い資料を処分する」
資料は基本的に過去5年分が保管されていて、その一番古いものを出てこいという指示だった。
……てっきり、先輩とのことで何か言われると思ったのに。
副会長はその後一切口を開かず、拍子抜けだ。
一刻も早く先輩の元へ戻りたいと思いながらも、何か言いたげな副会長の様子を察して、大人しく指示に従うことにした。