子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
僕たちが資料室に来てから、もう数十分が経った。
副会長はずっと黙々とリストを見ながら、僕が取り出してきた資料の仕分けをしている。
明らかに何か言いたそうなのに。
その様子を見ていると、ムズムズとしてくる。
「副会長」
「何?」
話しかけられても手は止めない。
こちらも見ずに、手元だけを見つめている。
上から見下ろして見る副会長は、男の僕からみてもイケメンだ。
黒縁メガネの隙間から見えるまつ毛がとても長い。
絶対、この性格のせいで損しているタイプ。
もっとフレンドリーな性格であれば、学校中からモテるんじゃないかと思う。
いや、もしかしたら僕が知らないだけでかなりの数の告白を受けているかも。
きっと先輩のことが好きだから、律儀に全て断っている。
───あぁ、負けたくない。
そんな気持ちが強くなる。