子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
あぁ……格好悪い。
先輩に対してムキになるなんて。
しかも自分からふっかけちゃって。
「あっ、天馬くんおかえりなさい」
「綾瀬会長ーっ!」
僕は単純だ。
先輩の笑顔を見るだけで、嫌なことなんて全部忘れちゃう。
「僕のこと待っててくれたんですか?」
「へっ?」
先輩の元へ駆け寄って行くと、びっくりしたのか僕を見て固まっている。
こういうところが本当に可愛い。
もっと可愛い先輩を見たくて、ついついからかってしまう。
「もしかして、僕のこと好きになっちゃいました?」
「……なっ、えっ、そんな」
多分その後は、好きとかじゃ……なんて続けようとしたんだろうけど、先輩は口をつぐんだ。
はっきり言ってくれてもいいのに。
先輩は優しすぎる。
「僕は先輩のこと、だーいすきですよ?」
「う、うん……ありがとう?」
あぁ、早く先輩、僕のことを好きになって?
─side:天馬 央翔*end─