子犬系男子の甘い溺愛が止まらない


あぁ……格好悪い。


先輩に対してムキになるなんて。


しかも自分からふっかけちゃって。



「あっ、天馬くんおかえりなさい」


「綾瀬会長ーっ!」



僕は単純だ。


先輩の笑顔を見るだけで、嫌なことなんて全部忘れちゃう。



「僕のこと待っててくれたんですか?」


「へっ?」



先輩の元へ駆け寄って行くと、びっくりしたのか僕を見て固まっている。


こういうところが本当に可愛い。


もっと可愛い先輩を見たくて、ついついからかってしまう。



「もしかして、僕のこと好きになっちゃいました?」


「……なっ、えっ、そんな」



多分その後は、好きとかじゃ……なんて続けようとしたんだろうけど、先輩は口をつぐんだ。


はっきり言ってくれてもいいのに。


先輩は優しすぎる。



「僕は先輩のこと、だーいすきですよ?」


「う、うん……ありがとう?」



あぁ、早く先輩、僕のことを好きになって?





─side:天馬 央翔*end─

< 63 / 269 >

この作品をシェア

pagetop