子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「真剣な綾瀬会長も可愛いですね」
「わぁっ!?……て、天馬くん、驚かさないでっ」
チェック済の資料のコピーを頼んでいた天馬くんが、いつの間にか戻ってきていたことにびっくりする。
後ろから肩を叩いて覗き込んでくるから余計に。
ニコッと人懐っこい笑顔の天馬くんにドキッとして心臓に悪すぎる。
それに、距離が近すぎて身動きが取れない。
少し動くだけで、天馬くんに触れてしまいそうだから。
「おい、近い。綾瀬が困ってるのわかんないの?」
「そうですかー? そんなこと言って、副会長が嫌なだけですよね?」
「本当、お前ムカつく」
藤ヶ谷くんのおかげで、天馬くんから解放されて助かったけれど、その代わりに始まってしまった藤ヶ谷くんと天馬くんのケンカ。
ケンカと言っていいのかはわからないけれど。