子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



「ちょっと初花! これはどういうことっ!?」



お昼休み。


授業が終わるなりすぐに仁奈ちゃんに教室を連れ出され、やって来たのは学校の食堂。


机をダンっと叩いて、前のめりになって聞いてくる。



「仁奈ちゃんっ、落ち着いて?」


「うん、まだ聞いてないからね、うん」



トントンと胸を叩いて気持ちを落ち着かせたのか、大きく息を吐いて席についた。



「……それで、藤ヶ谷と何があったの?」



仁奈ちゃんにはお見通し。


ゴクリと唾を飲み込む。



「……告白、されました」



思い出すだけで、ぼっと体が熱くなる。


恥ずかしくて、顔も上げられない。



「はぁー、アイツやっと告白したのね」


「え?」



仁奈ちゃんのことだから、さっきみたいに立ち上がっちゃったりするのかと思っていたから、冷静な姿に拍子抜けしてしまう。



< 86 / 269 >

この作品をシェア

pagetop