子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「それ、だけ?」
「それにしても、初花も初花よ。 あんなに気持ちダダ漏れなのに告白されるまで藤ヶ谷の気持ちに気がつかないなんて……」
「……え、仁奈ちゃん知ってたの!?」
「あったりまえよ」
仁奈ちゃんは大きく頷いた。
それも気づいたのが、だいぶ前だって言うんだから、その方がびっくりだ。
藤ヶ谷くんがわたしのことを好きだってことを知らなかったのは、わたしだけ?
そんなに藤ヶ谷くんってわかりやすかったの?
「初花は自分のことに鈍感すぎ」
「だってまさか……」
「返事はしたの?」
「ううん、まだ」
首を横に振って小さく呟く。
ちゃんと返事をした方がいいっていうことはわかってるんだけど。
昨日も"返事はゆっくり考えて"ってすぐに別れてしまったから、タイミングもなかった。