子犬系男子の甘い溺愛が止まらない



「……ちょう、綾瀬会長っ! 出番ですよ?」


「へっ……あ、ごめん、ありがとう」



考え込んでしまっていて、名前を呼ばれていたことに気がつかなかった。


わたしの挨拶の時間になり、注目を浴びている。


そんなにザワついていないから、名前を呼ばれてから時間は経っていないと思う。


隣で声をかけてくれた天馬くんに感謝しないと。



「皆さん、こんにちは。 今日はわたしたち生徒全員が参加して行う生徒総会です───」



あっ、あの人さっきまで寝てたのに起きてる。


あぁ、あの子は爆睡だ。


前に立つと周りがよく見える。


こんなふうに自分の気持ちもはっきり見えたらいいのに。



「このまま、わたしから生徒会活動報告をさせていただきます」



今日のわたしのやるべきことは、生徒会長挨拶と生徒会活動報告。


いつもステージに上がって話す時は、前日に読み上げる練習をしていたけれど、昨日はできなかった。


だから、ちょっと不安だったけど……


なんとか最後までやり終えて、ホッとしながら席へと戻った。



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