子犬系男子の甘い溺愛が止まらない
「さっき教室で東から聞いた。 なんか悩ませてるみたいでごめん」
「いや、そんなっ! 藤ヶ谷くんは何も悪くなくて、むしろそう思ってくれてたのは嬉しいし、今まで気づかなかったことも申し訳なくて……」
ずっと抑えていた分、わーっと言葉が口から出てきてしまって、いい終わったあとで恥ずかしくなる。
「綾瀬は悪くないし、俺が伝えてなかっただけだから」
藤ヶ谷くんも照れくさいのか、わたしから顔を逸らして、頭をかいていた。
「藤ヶ谷せんぱーい! これ倉庫戻していいですかー?」
「あぁ、よろしく!」
パンパンにパイプ椅子が詰まった台車の前で、絢ちゃんが穂乃実ちゃんと一緒に大きく手を振っていた。
藤ヶ谷くんの返事を聞いて、仲良く台車を2人で運んでいる。
先輩後輩を感じさせないくらい仲良しな2人で微笑ましい。