【イケメンSPに溺愛されて困ってます】
時は遡り３日前…。

「ん～！今日も一日が終わった～！」

大学を卒業して早３年が経とうとしている。
新入社員として入社した私も気づけばあっという間に３歳も歳を取っていた。
２５歳、中小企業の至って普通の会社員。
親元を離れ、一人暮らしをしている私には恋人なんて浮かれた存在の一つもいるわけはなく…。
毎日職場と自宅を往復する毎日。

(何事も普通が一番！)

と思っていた３年前と状況は一向に変わらず、両親からは「彼氏は？結婚は？」と会うたびにせかされるような年齢になってしまった。

(別に理想が高いとか、結婚願望がないとかじゃないんだけどな…)

そう。これは典型的な「出会いがない」という、世の結婚したくても出来ない女性の口癖を私も言う羽目になるとは…。
３年前の学生時代の私には想像もつかなかったんだろうな…。

「…考え込むのやめ！取り合えず冷やしておいたビールを帰って飲む！」

考えても仕方のないことは酔っぱらって忘れること！
これは社会人になって心得た私の信条だ。

(その前に…明日は連休だしつまみでも買って帰るか)

帰り道にあるコンビニへ向かうべく、足取り軽やかに家路についた。
< 2 / 3 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop