【イケメンSPに溺愛されて困ってます】
ピロロロロ~ン
聞きなじみのある開閉音が耳に響く。
妙に鼻先をくすぐるおでんの出汁の香りをよそに、さっそくお酒コーナーに併設して置いてあるつまみコーナーへ一目散。
最近は冷えているからおでんもいいが、今日はしょっぱいものが食べたい気分だ。
「家にはビール…やっぱ安定にピーナッツとジャーキーかなぁ」
ブツブツと脳内会議を繰り広げていると、丁度後ろを通りかかったであろう男性にぶつかってしまう。
「わっ…と、すみません」
「いえ、こちらこそ」
やけに柔らかな声色に目線を上げてみると、私の目に飛び込んできたのは大層美形なお顔立ちをした男性だった。
(え…なに、芸能人!?)
イケメンにさほど興味のない私でも思わず息を飲むほどの美形がそこに立っていたもんだから、思わずまじまじと観察してしまう。
「?なにか…?」
不振に思ったのだろう。
一向に顔を背けない私を不審に思ったのか、小首を傾げ私に目線を合わせてくる。
「っ、な…んでもありません!すみません!では!」
近づいてきた顔を思いっきり振り払って、レジに駆け込む。
私の手には先程悩みに悩んだピーナッツとジャーキー…ではなく、なぜかあまり好きではないチーズが握られていた。
(しまった、間違えた)
しかし、今更「やっぱり間違えました」と先程の男性に顔向けできるはずもなく、すごすごとお会計を済ませて自宅に帰る。
「…あれが、例の女…」
こんな小さな呟きが私の背後で囁かれているとも知らずに…。
聞きなじみのある開閉音が耳に響く。
妙に鼻先をくすぐるおでんの出汁の香りをよそに、さっそくお酒コーナーに併設して置いてあるつまみコーナーへ一目散。
最近は冷えているからおでんもいいが、今日はしょっぱいものが食べたい気分だ。
「家にはビール…やっぱ安定にピーナッツとジャーキーかなぁ」
ブツブツと脳内会議を繰り広げていると、丁度後ろを通りかかったであろう男性にぶつかってしまう。
「わっ…と、すみません」
「いえ、こちらこそ」
やけに柔らかな声色に目線を上げてみると、私の目に飛び込んできたのは大層美形なお顔立ちをした男性だった。
(え…なに、芸能人!?)
イケメンにさほど興味のない私でも思わず息を飲むほどの美形がそこに立っていたもんだから、思わずまじまじと観察してしまう。
「?なにか…?」
不振に思ったのだろう。
一向に顔を背けない私を不審に思ったのか、小首を傾げ私に目線を合わせてくる。
「っ、な…んでもありません!すみません!では!」
近づいてきた顔を思いっきり振り払って、レジに駆け込む。
私の手には先程悩みに悩んだピーナッツとジャーキー…ではなく、なぜかあまり好きではないチーズが握られていた。
(しまった、間違えた)
しかし、今更「やっぱり間違えました」と先程の男性に顔向けできるはずもなく、すごすごとお会計を済ませて自宅に帰る。
「…あれが、例の女…」
こんな小さな呟きが私の背後で囁かれているとも知らずに…。