転生シンデレラ~シンデレラは姉様に幸せのドレスを用意する~
プロローグ
嵐の夜だ。

ピカっと窓が光ると同時に、ピシャーンとすぐ近くに雷が落ちた音がする。

嵐の夜は嫌いだ。

特にこんな寒い冬の夜は。

私は部屋のソファで毛布をかぶりながら体を震わせた。

だって母様が死んだ夜を思い出すんだもの。

あの日もこうして一人で毛布をかぶって震えていた。そんな時いつもならそばにいてくれるお世話係のセディアスは、お父様に連れられて、仕事の見習いに出てしまっていた。

ピカっと、また雷が光る。

あの日もこうして、雷の音に紛れて部屋のドアを叩く音がして、そして。

ドンドン!

「お嬢様!」

そう、こんなふうに。

そして母様が事故に遭って、もう二度と家には帰らないと聞かされたのだった。
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