転生シンデレラ~シンデレラは姉様に幸せのドレスを用意する~
ドンドン!

「セーラお嬢様!」

「え、本当に呼ばれてる?」

私はあわててソファから滑り降りると、部屋のドアを開けた。

「お嬢様」

「メイナード、どうしたの?」

「それが、その」

メイナードはうちに昔から仕えてくれている執事だ。正確には、母様が嫁入りの時に連れてきたらしいから、一五年ほどか。私にとっては、生まれた時から知っている相手になる。そう、あの時もこんなふうだった。

メイナードは焦ってドアを叩いたはずなのに、言いにくいことであるかのように口元に手を当てた。

「メイナード」

「お館様が……」

「お父様が!」

私は続きを聞かずに部屋から走り出た。

「セーラお嬢様!」

貿易商のお父様はほとんど家にいない。それでも、お母様が亡くなってから、愛情をもって私を育ててくれた。

そんなお父様までいなくなってしまったら。
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