【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
「いや、お前は初めて会った時から何かを怖がっている。見た目じゃあまり分からないがお前自身の心が恐れている。違うか?」

ホントこの人は...。怖いくらいだ。そうだよ。俺は怖いんだ。人と接すると過去の自分が俺を恐怖に導いてくる。

「俺の話聞いてくれますか?」

「いいだろう。手短に話せ」

「俺は昔、いじめられていたんです。ある日、夕霧学園の近くを歩いていると中学生くらいの人たちに絡まれて。多分この学園の生徒だったと思います。校章が似ていたので。俺は怖くてオロオロしていると助けてくれた女の子がいるんです」

「それが桜井だと?」

「はい。あの目つきと声はみーちゃんでした。自分より大きな、しかも男に立ち向かっていって凄いって感動しました。俺もあんな風になりたいって思って。だから、学園に入る前に地味は見た目からこんな派手な見た目にしたんです。入学式の時見かけて驚きました。また会えたって」
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