【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
本当は...
〈美優 side〉

屋上の風が冷たいわ。今は冬だものね。今の私にはこれくらいの風が丁度いいわ。

......チャンスなんて別にどうでもよかったのよ。ただ自分の考える時間が欲しかっただけ。最低なことをしてしまったわね...。嘘も重ねた。

「桜井」

「会長。どうしたんですか。こんなところで。風邪、引きますよ」

「一時間もここにいるお前に言われたくない。早く帰ったらどうだ」

「まだ、帰りたくなくて...。なんか今日は中庭よりここの方が落ち着くんです...」
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