【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
「ふぅ。大丈夫だったか?」

「まだ何もされてないわ。お願いだからこれ以上被害者を増やさないでちょうだい」

私の父は柔道の元日本代表。普段は何を考えているか分からない人だけど子供の事になると人格が変わってしまう。

私には兄と姉がいて、二人も父のこの性格にはうんざりしている。

私達は兄妹揃って風紀委員をやっている。学校は違うけど、よく兄達の噂を聞く。内容は私と一緒。

風紀に厳しく皆から恐れられている。そのおかげで...。

「桜井ー!今日こそ覚悟しろ!」

「あっちで兄ちゃんがピンチだ!じゃあ美優。気をつけて帰れよ」

「ケガさせないでよ。お父さん」

父はそんな私の忠告を聞かずに走って行った。

兄妹揃って喧嘩を売られる毎日。売る人も売る人よ。家の近くでやらないでほしいわ。近所迷惑にもなるし。
< 22 / 187 >

この作品をシェア

pagetop