【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
まだ目眩がするわ。情けないわね。

美優はボーッと空を見始めた。

なんで北川くんはこんなに私によくしてくれるのかしら?いつもあんなに怒鳴ってばかりなのに。今まで出会った人は皆、私が少し怒るだけで、私を避けて行った。

遂には『桜鬼』なんてあだ名を付けて、噂だけ信じて避ける人も出てきたというのに...。

北川くんどこまで行ったのかしら?

入口で貰ったマップを確認した。

飲食が売っているお店も自動販売機もすぐ近くにあるのに。まさか迷子!?そんな訳ないわよね。もう中学生なんだし。

探しに行きましょう。


美優は立ち上がり、最初は一番近い飲食店へ向かった。けどそこには北川の姿はなかった。次はコーヒーカップの近くにある自動販売機へ。


ここにもいないわ。一体どこへ行ったのかしら?



「あれ?みーちゃん」

「北川くん...!」

「もう立って大丈夫なの?」

「え、えぇ。それより北川くん。その子...」
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