【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
「ふふ、ごめんなさい。それで次はどれに乗るの?」

「次はね〜...」





すっかり日が沈み、辺りが暗くなってきた。あの後私達は遊園地のほとんどの乗り物に乗った。

もう少しで全ての乗り物を制覇出来るところで閉館の時間となってしまった。

「もう六時か。みーちゃん、家まで送っていくよ」

「一人で帰れるから大丈夫よ」

「ダメだよ。女の子がこんな暗い満ち歩いちゃ。何かあってからじゃ遅いんだよ?」

「大丈夫よ。それに、私と一緒にいると北川くんの方が危ないわ。迎えに来た父に投げ飛ばされてしまうわよ」

「えっ...」

北川が自分が投げ飛ばされるのを想像してしまい、顔が青ざめた。

「私のところは兄妹揃って風紀員やっていて、注意した生徒からよく逆恨みで家の近くで喧嘩を売られると、父が飛んできて投げ飛ばしちゃうのよ。だから北川くん。あなたの為にもやめた方がいいわ」

「なら駅まで。駅まで送らせて...!」

「分かったわ。本当に駅までよ」

北川くんは余程嬉しかったのか、私がそう言うと笑って「うん」と言った。
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