【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
「みーちゃん?」

みーちゃんは安全バー握りしめ、目をつぶった。
そして...。

「きゃーーー!」

今まで聞いた事のない悲鳴をあげた。こんな一面もあったんだ。


ジェットコースターが終わりに近づいてきた時、俺は楽しさが最高超に上がり。

「あははは!最高ー!」

思いっきり叫んだ。


ジェットコースターから降りると、みーちゃんは下を向いていた。酔ったみたいだ。

俺は近くの自動販売機にお茶を買いに行った。
何かあったら連絡してって言ったけど、あの様子じゃそんな気力もないだろうな。早く戻らないと。

「えーん!」

みーちゃんがいるベンチに戻ろうとした時、迷子の女の子を見つけた。

「どうしたの?」

しゃがみ、なるべく女の子の目線より低い位置で話しかけた。

「あのね、パパとママがいないの...。うぅ...ひっく...」

「大丈夫だよ。お兄ちゃんが探してあげるから。もう、泣かないで」

「ほんと?」

「うん」

戻る前にこの子を案内所に連れて行かないと。みーちゃんに連絡しとかないと。

スマホを取り出そうとしたら女の子は俺の手を握ってきた。よっぽど不安だったのか少し震えてる。

連絡は案内所に着いてからでいいか。今はこの子が優先だ。みーちゃんならきっと、分かってくれる。

ポケットにお茶入れて、案内所に向かった。


「お兄ちゃん」

「んーん。何?」

「肩車して」

こんな状況で肩車をねだるなんてこの子は将来大物になるなと思った。

「いいよ。そーれ。しっかり捕まっててね?」

「うん!」

さっきまで泣いていたのに今は泣き止んで楽しそうだ。
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