【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
疑心暗鬼の罠
〈秋 side〉

俺はみーちゃんを見送って教室に戻った。授業中、俺はずっとみーちゃんの退学をなくす方法を考えていた。けどそれは簡単なことではなかった。

これだとダメだし、あれだと会長の逆鱗に触れてしまいそうだ...。

ガタッ!

「ああー!どうすれば退学を無くせるんだ!?」

「北川授業中だ!叫ぶなら終わってからにしろ!」

「す、すいません...」

はぁ。『俺に任せろ』なんて軽々しく言った自分が情けない。みーちゃん、今頃何してるのかな?
ダメだダメだ!俺がこんなんじゃ、みーちゃんの退学を無くせられない。

昼休みになった。俺は昼食の事を忘れて、一人、頭を抱えていた。頭が回らない。昼休みももうすぐ終わる。そろそろ弁当食べるか。



キーンコーンカーンコーン

結局何も思いつかなかった。どうしたら...どうしたら退学を無くす事が出来るんだ。俺には無理なのか。いいや、何かあるはずだ。考えろ。


「あの」

北川に声をかけてきたのは前髪が目にかかるくらい長く、後ろの髪は一つのおさげでまとめてあるいかにも地味の女の子だった。

この子、みーちゃんのクラスにいた。

「君は?」

「私は桜井さんと同じクラスの亀井 月子と言います。北川くんにどうしても相談したい事があって」

亀井 月子(かめい つきこ)さん。女子たちがよく何か噂してたな。何だっけ?
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