【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
俺は生徒会室に向かった。放課後はだいたい、会議を行っている。終わった時に交渉してみよう。



コンコンコン

「入りたまえ」

「失礼します」

「おや?君は確かあの風紀委員長といた...」

「北川秋です。今回は桜井美優に相談したいことがありまして」

「そこに座りたまえ」

俺は会長の机の前にある、黒い合皮のソファーに座った。

「相談というのは桜井美優の退学ついてだな」

「はい」

「そして君はその退学をやめてもらいたいと」

「分かったうえで俺をここに通したんですか?」

「さあ。それで?君は何をしたいのかな?」

「退学を取り消しにしてもらいたい」

「ほう。どうやって決定した退学をなくすと言うんだい?」

「署名を集めます。夕霧学園の中等部、高等部の生徒に署名をもらい、全校生徒の半数を集めることが出来たら桜井さんの退学を取り消しにしてもらいたい」

「いいだろう」

断られると思ったらすぐに了諾してくれた。案外話の通じる人なのか。それとも...。

「ただし、停学期間までだ。桜井の停学が終わるまでに署名を集めてみろ。集まらなかった時の事は勿論、考えているんだろうな?」

「はい。集まらなければ...」


「君の覚悟を知ったら桜井はどんな顔をするのやら。楽しみだな。いいだろう。条件を飲もう。精々頑張りたまえ。北川秋」
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