【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
だけど次の日の朝も署名は集まらない。

「集まりませんね」

「くっ...!」

「私、昨日友人から聞いたんですけど。署名は多分期限までに集まらないだろうって」

「えっ?」

「桜井さんはいつも怒鳴りっぱなしで、時には投げ飛ばす。それが他の生徒には不好評だと。悪い噂も後を絶えません。多分、そのせいで署名を集まらないのだと思います」

「なるほど。だから俺たちのやっている事は無駄に等しいわけか。だから会長は簡単に承諾したんだ。集まらないのを分かっていて...」

だったらどうすればいいんだ?俺に出来ることはこれ以外ない。あの人なら、みーちゃんならどうする。ダメだ。頼っちゃ。これは俺がなんとかしないとならない。

ああ、なんだろ。自分が情けない。悲しい。俺はいつでもどんな時でも俺だ。何も出来ない北川秋だ。

「北川くん。それでも最後までやりましょう!あなたは桜井さんを助けたくてやっているんでしょ!?だったら最後やればきっと会長に届きます。桜井さんも絶対分かってくれます」
< 68 / 187 >

この作品をシェア

pagetop