【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
知り合いの可能性が高いか。それにしてもみーちゃんから電話してくるなんて。奇跡に等しい。こんな事で言ったら怒られるか。早くみーちゃんが居た日常に戻りたい。


次の日。俺は衝撃を受けた。朝はいつもの通り、署名活動をしていた。名前を書くことなんてしなかった人達が今日になって、名前を書くようになった。ひとりやふたりじゃない。学園に来る人皆だ。書かない人なんていないくらいだ。

「どうしたんだ。昨日まで誰一人書かなかったのに」

「北川くーん」

北川のファンの一人が寄ってきた。

「おう」

「あたしも署名書くねー」

「なんで急に書く気になったんだ?」

「なんか昨日ね、友達がSNSで夕霧学園の裏サイトが面白いって言ってたから見てみたの。そしたらね、そこには凄く長い文章で桜鬼について書かれていて」

「なんて書いてあったの?」

「確か、『皆さんはこの夕霧学園の桜鬼についてどう思っていますか?怖い、野蛮など思っている人がほとんどでしょう。私はそうは思っていません。』...ごめん。ここまでしか覚えてない」

「ありがとう。あとは自分で読んでみるよ」

「うん。あっ、名前書くね」



朝の署名は三百人集まった。残り半分。俺は教室に戻って裏サイトの続きを読んだ。
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