【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
俺は貰った肉まんとココアを持って学園から少し離れたところで待ち合わせをした。

「もう来てるかな。あっ!いたいた」

そろりと近づいた北川。

まだ気づいてないな。よーし。

「わっ!」

「ぎゃあ!」

「みーちゃん。ぎゃあはないでしょ」

「いきなり驚かされたら誰だって声あげるわよ!」

「ごめんごめん」

待ち合わせてたのはみーちゃん。久しぶりだな。停学期間はあまり出歩けないからみーちゃんの家の近くで待ち合わせ。驚いたことに誘ってきたのはみーちゃんからだ。亀井さんとの約束もあるから少ししかいられないけどね。久しぶりに会えるから少し無理して走ってきちゃった。

「それは?」

「あぁ、今日高等部の先輩から貰った肉まんとココア。差し入れです」

「凄いわね。高等部から貰えるなんて。あの人たちは会長の言うことしか従わなくて有名なのに。中等部の生徒に何かをあげるのは禁止で、あげたら退学を言い渡されるとか怖い噂もあるのに」

「そ、そんなにヤバいの?」

「ええ。でもこれは北川くんの頑張りが生んだ信頼の証なのよね。高等部も少しずつ変わってきている。残り二日ね。あとどれくらいなの?」
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