meet
ていく
そのときも嘉穂はふと思った
“他人の死を受け止めなければいけない時のニンゲンの顔だ”

「…あ、あの、これは本当に香川さんが書いたのですか?」
「ええ。香川さんが書いたわ。あたしが直接受け取って貴女に届けに来たの」
「~っ…」
遠山さんは泣き出した
嘉穂はいつも思う
なぜニンゲンは他人の死を悲しむのか
自分だけを心配していればいいのに
なぜニンゲンは死にたいと思うのか
生きていれば楽しいとほざいているのに
ニンゲンはワガママだ
「では、ちゃんと渡しましたよ。遠山 美佐子さん」
遠山さんはいつまでも
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