ドラム女と男達
麻耶には、先に帰ってもらったので
私は一人で帰っていた。
春とはいえ、やっぱり日が沈むのはまだ早かった。
だから、私が学校を出た頃は 辺りは薄暗くなっていて
少し肌寒かった。
丁度 門を通過した辺りで、
後ろから声がした。
振り返ってみると
そこにはサト。
「おー秋ちゃーん!一緒帰ろうぜ」
「う、うん♪えっと・・サトだよね。うちのことは秋でいいって!」
「ああそっか~!」
私は近づいてくるサトの姿に唖然とした。
「ど、どうしたの、その格好!?」
サトはさっきまでいっしょにいたのに
今は 上半身がびっしょり濡れている。
「あーこれ?さっき玄関でシュンスケに水ぶっかけられた!
あいつ容赦ないからな」
そういって、もっていた学ランをパタパタしながら乾燥させる。
「風邪ひきそーっ!てか、ワイシャツまで濡れてるじゃん」
「そうそう。あー気持ちわりィ!俺きっと風邪ひくわ、寒いっ!」
「マジ、大丈夫?早く帰んなきゃね」
私がそういった瞬間、
サトはいきなりワイシャツを脱ぎはじめた。